2015年 05月 28日
【用語】正しく言えているか |
★気になる書き間違い・言い間違い
犬の飼い主同士のちょっとした会話ではスルーしちゃう言い間違いでも,保護犬の飼い主さん探しのサイトなどで書き間違えているのを見ると,不安に感じることもあります。
この保護主さんは,犬のことをよくわかっていないのでは?
実際には,ちょっとした書き間違いをする保護主さんも,犬自体をしっかり把握しているかたが多いので,大丈夫です。
用語の書き間違いよりも,「かわいい子犬をもらってください」という情報だけの飼い主捜しの方が,不安は大きいはずです。
とはいえ,ドッグランをドックランと言い(書き)間違えているくらいはいいとしても,犬の健康に関わる用語の間違いは重要です。
用語の確認をしてみます。
※英語圏の国では,ドッグラン(Dog run)よりもドッグパーク(Dog park)という表現が多いようです。
◎フィラリア:filaria 蚊が媒介する病気
(フェラリア,ファラリアなどの言い間違い・書き間違いが目立つ)
◎ケージ:cage カゴ状の囲い,入れ物。
(ゲージだと信じているかたが多い。ゲージ:guageは計測器といった意味)
◎去勢(きょせい)手術:本来は,オスの睾丸を取り去る手術
(メスを「去勢する」ことはできません)
▲避妊(ひにん)手術:メスの卵巣と子宮を取り去る手術
(不妊(ふにん)手術という言い方を主張するかたも多くいらっしゃいます。)
※人間では妊娠したいのに妊娠できないかたに対して「不妊治療をおこなう」ので,「不妊手術」という言葉は誤解を招く恐れもあります。
犬の場合は「妊娠しないように手術する」ことから,「避妊=妊娠を避ける」という意味合いで使いたいと思います。これはあくまでも個人的な見解です。
▲リーシ:leash(リーシュとも言う)引き綱のこと。
(リード(lead)という言い方が市民権を得ていますが,リーシを支持するかたもいます)
※個人的には,リーシの方がいいと思うのですが,リーシと言っても通じないことの方が多いので,やむなく「リード」と言っています。「引き綱」と言う方がいいかもしれません。
※英語圏の国でも,leashとleadの言葉は国によって違うそうです。
↑
保護犬は慣れるまで引き綱を2本つけて散歩します。
犬にもよりますが,1年くらいでは「慣れた」とは言えず,2年は状況をみたいものです。
★more★に追記(2015年6月15日)
☆里親(さとおや)
保護犬のあらたな飼い主さんを「里親」としていた保護団体が,「犬親(いぬおや)」と言う表現に変えました(保護猫の場合は「猫親(ねこおや)」)。
犬や猫だけでなく,人間の未成年者を家族として迎え入れる場合に「里親」と表現していることと区別するためです(「里親制度」)。
児童福祉法の中で「里親」の規定がなされています。
保護犬・保護猫の飼い主捜しも大切な活動ですが,人間の里親制度とは別の次元でありましょう。
里親制度を利用しているご家族にとって,「里親」という言葉のもつ重さは計り知れません。
個人的には,保護猫・保護犬のあらたな飼い主さんは,単純に「飼い主」さんと呼んでいます。
☆不妊(ふにん)手術
本文でも触れましたが,人間で「妊娠を望んでいるのに体質などで妊娠しにくいため,妊娠できるように治療をする」ことを「不妊治療」と表現しています。女性が治療する場合もありますし,男性が治療する場合もあります。
犬や猫など,人間以外の動物の生殖器官を取り除く手術を「不妊(去勢)手術」と言うのは間違いでは無いと思いますが,個人的には「避妊(去勢)手術」と表現するようにしています。
オスかメスかに関わらず,ひとつの用語で表現できればよいと思うのですが,代替えの用語は無いのでしょうか(←獣医関係者へのひとりごと)。
*2019年1月追記:過去に人間に関しても,特定のかたがた,男女にかかわらず「不妊手術」していたという悲しい事件が明らかになっています。現在,マスコミでも「不妊手術」という表現をしていますが,どの事象にどの用語を使うのか,再考が必要だと思っています。
「里親」にしても「不妊」にしても,同じ言葉を人間にも使用していて,当事者は精神的に重みを抱えていることもありうることを考えると,使用を避けることがよりよいのではないかと思っています(私自身は,不妊治療をうけていない,里親制度を利用していない,という立場です)。
〈了〉
犬の飼い主同士のちょっとした会話ではスルーしちゃう言い間違いでも,保護犬の飼い主さん探しのサイトなどで書き間違えているのを見ると,不安に感じることもあります。
この保護主さんは,犬のことをよくわかっていないのでは?
実際には,ちょっとした書き間違いをする保護主さんも,犬自体をしっかり把握しているかたが多いので,大丈夫です。
用語の書き間違いよりも,「かわいい子犬をもらってください」という情報だけの飼い主捜しの方が,不安は大きいはずです。
とはいえ,ドッグランをドックランと言い(書き)間違えているくらいはいいとしても,犬の健康に関わる用語の間違いは重要です。
用語の確認をしてみます。
※英語圏の国では,ドッグラン(Dog run)よりもドッグパーク(Dog park)という表現が多いようです。
◎フィラリア:filaria 蚊が媒介する病気
(フェラリア,ファラリアなどの言い間違い・書き間違いが目立つ)
◎ケージ:cage カゴ状の囲い,入れ物。
(ゲージだと信じているかたが多い。ゲージ:guageは計測器といった意味)
◎去勢(きょせい)手術:本来は,オスの睾丸を取り去る手術
(メスを「去勢する」ことはできません)
▲避妊(ひにん)手術:メスの卵巣と子宮を取り去る手術
(不妊(ふにん)手術という言い方を主張するかたも多くいらっしゃいます。)
※人間では妊娠したいのに妊娠できないかたに対して「不妊治療をおこなう」ので,「不妊手術」という言葉は誤解を招く恐れもあります。
犬の場合は「妊娠しないように手術する」ことから,「避妊=妊娠を避ける」という意味合いで使いたいと思います。これはあくまでも個人的な見解です。
▲リーシ:leash(リーシュとも言う)引き綱のこと。
(リード(lead)という言い方が市民権を得ていますが,リーシを支持するかたもいます)
※個人的には,リーシの方がいいと思うのですが,リーシと言っても通じないことの方が多いので,やむなく「リード」と言っています。「引き綱」と言う方がいいかもしれません。
※英語圏の国でも,leashとleadの言葉は国によって違うそうです。
↑
保護犬は慣れるまで引き綱を2本つけて散歩します。
犬にもよりますが,1年くらいでは「慣れた」とは言えず,2年は状況をみたいものです。
★more★に追記(2015年6月15日)
☆里親(さとおや)
保護犬のあらたな飼い主さんを「里親」としていた保護団体が,「犬親(いぬおや)」と言う表現に変えました(保護猫の場合は「猫親(ねこおや)」)。
犬や猫だけでなく,人間の未成年者を家族として迎え入れる場合に「里親」と表現していることと区別するためです(「里親制度」)。
児童福祉法の中で「里親」の規定がなされています。
保護犬・保護猫の飼い主捜しも大切な活動ですが,人間の里親制度とは別の次元でありましょう。
里親制度を利用しているご家族にとって,「里親」という言葉のもつ重さは計り知れません。
個人的には,保護猫・保護犬のあらたな飼い主さんは,単純に「飼い主」さんと呼んでいます。
☆不妊(ふにん)手術
本文でも触れましたが,人間で「妊娠を望んでいるのに体質などで妊娠しにくいため,妊娠できるように治療をする」ことを「不妊治療」と表現しています。女性が治療する場合もありますし,男性が治療する場合もあります。
犬や猫など,人間以外の動物の生殖器官を取り除く手術を「不妊(去勢)手術」と言うのは間違いでは無いと思いますが,個人的には「避妊(去勢)手術」と表現するようにしています。
オスかメスかに関わらず,ひとつの用語で表現できればよいと思うのですが,代替えの用語は無いのでしょうか(←獣医関係者へのひとりごと)。
*2019年1月追記:過去に人間に関しても,特定のかたがた,男女にかかわらず「不妊手術」していたという悲しい事件が明らかになっています。現在,マスコミでも「不妊手術」という表現をしていますが,どの事象にどの用語を使うのか,再考が必要だと思っています。
「里親」にしても「不妊」にしても,同じ言葉を人間にも使用していて,当事者は精神的に重みを抱えていることもありうることを考えると,使用を避けることがよりよいのではないかと思っています(私自身は,不妊治療をうけていない,里親制度を利用していない,という立場です)。
〈了〉
by yoshikawa-n-h
| 2015-05-28 20:50
| 雑感